貫入(カンニュウ)について


 貫入とは器の表面に施された釉薬(ユウヤク)の
細かな亀裂のことをいいます。
ひと目見て判るものから、めにみえない微細なものまで、
手作りの器(特に陶器)には よく見られる現象です。
これは、器に使われている「土」とそれに施された「釉薬」が
焼成後冷却時にそれぞれ違う率で収縮するためにみられるものです。

 日本において食器は、食事の道具としてだけではなく
日常を愉しむアイテムとして生活に取りいれられてきました。

 茶の湯の世界では特にその傾向が強く
使うたびに貫入などに茶渋が染み入り、様々な雰囲気を醸しだす器は
何代にもわたって育まれ、珍重されてきました。

 どうかお手にされる器をじっくりご覧下さい。
そしてその器が時間とともに
少しずつ変化していく様子を愛で、ゆっくり愉しんでいただければと思います。

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